古都で考えたこと

加野 孝

京都、奈良という古都に出張する機会がありました。東京や大阪にいる時にはない景色に触れて、普段にはないことを考えました。

それは「変化」が良しとされ、毎年毎年、「変化変化、行動変容!!」と言われることの多い経営において、「変わらないものとは何か?」「変えてはいけないものとは何か?」についてです。

目の前に法隆寺や清水寺、高台寺、平安神宮といった歴史あるものを目にする日々の中で、幾多の社会変化、乱世、天災を乗り越え、様々な歴史上の人物の執念や信念、リーダーシップのもと統治が行われてきたことの凄みを感じます。

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日本最古の塔である法隆寺、五重塔
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いつ見ても飛び降りる気にはならない清水寺の舞台
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京都市内と伏見をつなぐ運河として造られた高瀬川
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雅を感じさせる平安神宮の庭園

今日まで現存している歴史的建造物に畏怖の念を感じ、「変わらないものとは何か?」「変えるべきではないものとは何か?」を考えました。

変わらないものとは何でしょうか?

個人的に思うのは・・・

  • 何かを世に遺したいという人間の欲求
  • あくなき紛争、戦争と平和への祈り
  • 資源、領土をめぐる果てしない争い
  • 疫病、天災の発生や無病息災への祈り
  • 「和を以て貴しとなす」の文化

では変わり続けてきたものとは何でしょうか?

個人的に感じているのは・・・

  • 人口構成。平均寿命。出生率
  • 言葉。道具。メディアの選択肢
  • 働き方。起業や転職のハードル
  • 商業施設の空きテナントの多さ
  • インバウンドの多さとホテルの数
  • 個人情報やセキュリティーへの意識

皆様からみて、世の中で変わらないものとは何でしょうか?
皆様からみて、世の中で変わり続けてきているものとは何でしょうか?

皆様の所属企業(または団体)において、変わらないものとは何でしょうか?
皆様の所属企業(または団体)において、変わり続けてきているものとは何でしょうか?

皆様自身の中で、変わらないものは何でしょうか?
皆様自身の中で、変わり続けてきているものとは何でしょうか?

外来の文化を受け入れて、自分たちなりの味付けをして取り込んできたのが日本文化の特徴ともいわれます。しかし、私たちがおいそれと外来のものに染まってしまってはいけないものもあるのではないでしょうか。

その文化的な議論と同様に、私たちは一人のリーダーとして、柔軟にオープンに環境に適応したり、リーダーとしての在り方を変えていくことはサバイバル上、不可欠と思います。しかし一方で、おいそれと流されない自分のリーダーとしての「軸」「信念」というものも持ち合わせていないと、環境変化や競争相手の動きにより、バタバタ浮足立ってしまいそうです。同様に、自社の経営としての「芯」「哲学」「理念」ということも、おいそれと変えてはいけないものがあるようにも思います。

変えないと決めるものを定めることで、かえって、それ以外についての柔軟性も同時に担保される気もします。

変えないもの、変わってはいけないものを、「変化」が言及されやすいこの「春」に決意するのもリーダーとして悪くない行為なのではないでしょうか?