Astra inclinant, sed non obligant

加野 孝

Astra inclinant, sed non obligant(アストラ・インクリナント・ノン・オブリガント)。私が好きなラテン語の諺です。

Astra”は『星』ですが、ここでは「星占い」を意味すると言われています。
Inclinant”は、「魅惑する」という意味合い。Sedは接続詞の「しかし」。“Non obligant”は、英語で言うところの“No obligation”。つまり「従う必要はない」という意味合いです。

「星(占星術)は私たちの気を惹くが、私たちを束縛することはない」という意味の諺ですが、「人間の運命は占いなどではなく、自由意志によって切り開かれるものだ」という主体的、能動的な人生観が込められています。

私はこの諺が、経営者の意思決定に通ずる内容だと直感し、弊社パッションクエストのロゴマーク脇に併記することにしました。

流行の経営手法や著名な成功事例などの「必勝法」に流されず、自社にとって本当に必要なものをしっかりと見極め、極力自社で課題解決していきたい経営者を私達パッションクエストは、コンパクトにサポートしたいと考えています。

「こうすれば、うまくいきますよ、社長」「これからは、この手法で経営するのが王道ですよ」「全部お任せください」「あの会社と同じことをしませんか」などと、実際には決して一筋縄ではいかない企業経営を、あたかも1つの手法やツール、アプリケーションで突破できるかのように論じる人が多いと感じるのは私だけでしょうか。

また、ある事例の成功には、いくつも前提条件があるはずですが、それを抜きに手法や事例だけを安易に自社にあてはめて導入・失敗するケースも後を絶ちません。

私達人間は、悩みが深い時ほどそのような「わかりやすそうに見える解決策」「必勝法のように見える手段」にすがる傾向があるように思います。

しかし、まるで占いに過剰依存するような「考え抜かない経営」「物真似経営」「他律的経営」になっては経営責任を果たしたとは言えないのではないでしょうか。

しっかりと自社の環境を吟味し、自社のリソースやカルチャーを見つめ、目指す目的地を描き、その上で、本当に必要なことや、優先順位付けを考える・・・当たり前ですが、そのような地道なプロセスを、経営者の皆様とともに伴走したいと考えています。

経営手法を紹介・提供する専門家も、メディアで世の先行きを論じている人も、あなたの会社の経営責任は1%も負っていないという現実があります。

一方で、外部専門家を一切遮断するのも現実的ではありません。あまりにも経営環境の変化が激しく、経営を巡るコンプライアンスも高度化し、経営課題も複雑化しがちだからです。

では、どうすれば上手く、適度に専門家を自社経営に活用できるのか?
どのような経営者支援が経営者に喜ばれるだろうか?

私が考え続けてきた「問い」です。

Astra inclinant, sed non obligant
経営に「必勝法」はありません。

貴社の未来は、貴社をリードするあなたがデザインし、決定、実行しなければなりません。
しかし、そこには少しの(適度の)専門知は必要と思われます。

あなた自身が切り拓く貴社の未来に、私達は必要最小限の専門知サポートで伴走します。

あなたの経営者ライフに、「専門知のオーケストラメンバー」がうまく伴走すると、どんな未来が切り拓けそうでしょうか?